乳がんについて
乳がんは部位別がん罹患数で日本人女性に最も多いがんであり、女性の生涯を通じた乳がん発症率は11人に1人とされています。そして、発症数だけでなくがんによる死亡者数も増加傾向にあり、1958年と2013年の乳がんによる死亡者数を比べた厚生労働省の調査では約8倍に増えていることが報告されています。
乳がんは30代に発症が増加しはじめ、40代後半から50代前半に罹患率がピークを迎えますが、若い世代や高齢者の発症も少なくありません。こうしたことから、幅広い世代で早期発見が重要になっています。早期発見のためには定期的な乳がん検診と、セルフチェックを行って早期発見に努めましょう。
乳がんの原因
乳がんの原因はわかっていないことも多いですが、下記のような要因が知られています。
- 過剰な体重
- 運動不足
- 妊娠出産を経験しなかった
- 初産年齢が遅い
- 授乳しなかった
- 喫煙歴がある
- 多量の飲酒習慣
- 家族に乳がんになった方がいる
乳がんの発生や増殖に女性ホルモンが関与していることがわかっています。上記のリスク要因の中には女性ホルモンの分泌に影響を与えるものが含まれています。
乳がんの症状、できやすい場所
乳がんの症状は以下のものがあります。
- 乳房のしこり
- 乳房皮膚のくぼみ・引きつれ
- 乳頭から分泌液が出る
- 乳頭が変形・陥没した
- 乳頭のただれ
- 脇の下のしこり
乳がんは乳腺に発生するがんですので、乳腺の多い場所に発生しやすい傾向があります。最も多いのは乳房外側上部であり、次いで乳房内側上部・外側下部に発生しやすいとされています。
乳がん検診と困った時の乳腺科受診で早期発見・早期治療
乳がんは早期発見と正確な診断・治療によって、比較的治しやすいがんです。症状がなくても定期的な検診を受け、症状を自覚したときには早めに乳腺科を受診することで早期発見ができます。そうすれば乳房を全部切除せずに温存できたり、抗がん剤を回避できたり、治療の選択肢が広がり、身体への負担がより少ない治療ができます。